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原曲・Λucifer 作詞・森雪之丞、作曲・CHISATO TVアニメ「KAIKANフレーズ」3代目OP曲。 【登録タグ 1999年の楽曲 J-POP KAIKANフレーズ Λucifer アニソン】 カバーした声優 松風雅也
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D 胆石症 102D16 胆嚢の黒色石の原因となるのはどれか。2つ選べ。 a 肥満 b 糖尿病 c 肝硬変 d 胆嚢炎 e 溶血性貧血 × a × b ○ c × d ○ e 正解 ce 102D36 52歳の男性。右季肋部痛を主訴に来院した。昨夜,夕食後に右季肋部痛が出現し,今朝まで持続している。体温 36.5℃。眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。右季肋部に圧痛を認める。白血球 11000。血液生化学所見:総ビリルビン 1.6mg/dl,AST 58IU/l,ALT 45IU/l,ALP 580IU/l(基準 260以下),γ-GTP 102IU/l(基準 8~50)。CRP 3.4mg/dl。腹部超音波検査で異常を認めたため行った内視鏡的逆行性胆管膵管造影写真〈ERCP〉を別に示す。 治療として最も適切なのはどれか。 a 抗菌薬投与 b 経口胆石溶解薬投与 c 体外衝撃波結石破砕療法 d 内視鏡的除石術 e 腹腔鏡下胆嚢摘出術 × a × b × c ○ d × e 正解 d 102D37 68歳の女性。腹痛を主訴に来院した。3年前から時々食後に右上腹部痛があった。昨日の夕食後にも腹痛があった。体温 37.4℃。右季肋部に圧痛を伴う腫瘤を触れる。白血球 12500。CRP 5.8mg/dl。腹部造影CTを別に示す。 考えられるのはどれか。2つ選べ。 a 胆石症 b 胆嚢炎 c 胆嚢腺筋腫症 d 胆嚢腺腫 e 胆嚢癌 ○ a ○ b × c × d × e 正解 ab 100B32 コレステロール胆石の原因として考えにくいのはどれか。 a 肥満 b 妊娠 c 肝硬変 d 糖尿病 e 中心静脈栄養 ○ a ○ b × c ○ d ○ e 正解 c
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第七話 『微熱注意報』 ルイズが教室を爆破してから一週間が経過した。 トリステイン魔法学院本塔の最上階に学院長室はある。中にはこの部屋の主であるオスマンとその秘書のロングビルの二人しかいない。 ロングビルの筆が走る音だけが聞こえてくる。平和だ。 だがそこへけたたましい音を立ててコルベールが飛び込んできた。 「たた、大変れす!」 後退した額にびっしりと汗を浮かび上がらせ薄い髪は額に張り付いていた。さらには急いできたせいで息が上がって呂律がまわっていない。 対照的にロングビルは慌てず、優雅な手付きで水差しからコップに水を移しコルベールに手渡す。 「どうしたのですか、毛相を変えて?」 「ごく・・・ごく・・・プハァッ!いや、どうもお恥ずかしいところをお見せした。焦りすぎて血相を毛相と聞き間違えてしまいましたな」 「オホホ、それは愉快ですわ」 「ハハハ・・・ぐすん・・・ハッ!そうだ、大変なんですオールド・オスマン!」 コルベールが読んでも反応はなかった。室内でこれだけ叫んでいるのに手を組んだまま微動だにしないオスマン。 貫禄があるといえばそれまでだが、それ以上の『悟り』を感じさせる空気を漂わせている。 「・・・オールド・オスマン?」 異変に気付いたコルベールがオスマンの顔を覗きこむと―― 「ハッ!す・・・すでに死んでいる!」 驚愕するコルベールの背後にいつの間にかロングビルが立っていた。 「私が息の根を止めた・・・スカートを覗いた時点でな・・・そして下着を守ることができた・・・ やれやれだわ・・・どんな気分かしら?今まで散々名前を間違えられてきた相手の死体を目の前にして、背後から立たれる気分は? ようやく増毛剤の効果が出た頭をグワシッ・・・と掴まれる気分と言ったところかしら?」 「う・・ウオォォォ!ミス・ロングビルゥッ!」 コルベールは渾身の叫びと共に振り返ると腕を振りかぶりッ! ガシィッ! と、ロングビルの手を握った。 「よくやってくれました!私もいい加減腹に据えかねていて・・・次に間違えられたらプッツンすることは確実でした!まったくこの劣化版ダンブルドアときたら・・・」 コルベールはぶちぶちと愚痴をこぼしたが、最後は二人共満面の笑みで笑いあい、声を揃えて言った。 「「トリステイン魔法学院、完!」」 「ほっほう。ではこれからは誰が職場に下着(うるおい)をお届けするのかね?」 「「オールド・オスマン!」」 死んだはずのオスマンが平然と喋っている光景に二人は腰を抜かしてしまった。 「い、生きておいででしたか・・・」 「『金剛國裂斬』食らったときはさすがにお迎えが来たんじゃがな、可愛らしい女子じゃったものじゃでつい癖で覗いたら帰されちったわい・・・ 天国と言えば『飯は旨いし姉ちゃんはキレイ』と相場が決まっとるだけに勿体なかったのう・・・トホホ。しばらくはこの行き遅れの残り物で我慢するかのぅ」 天国までいって何やってんだこのジジイとコルベールは思ったが、背後に感じる殺意の波動が覚醒する前に話をしないと面倒になると悟った。 「それよりもこれを見てください!」 コルベールは持ってきた書物を渡した。それを見たオスマンはキリッ、と顔を切り替えてロングビルに退出するよう命じた。 「以前、春の使い魔召喚の儀式の際に気になるルーンがありましたので調べて見たら・・・」 「この『始祖ブリミルと使い魔たち』に・・・『ガンダールヴ』に行き着いた、と?」 コルベールは無言で頷く。「してその奇妙なルーンの持ち主は誰じゃ?」 「それが・・・『あの』ミス・ヴァリエールの呼び出した『人間』なのです!」 オスマンの目がクワッと見開かれた。その眼光に気圧されてコルベールが後退ってしまった。 「し、しかも、生徒間の噂ではありますが、なんでもあの『青銅』のギーシュと決闘をして圧勝したとか。しかも『魔法』らしきものを使ったという話しも聞きました。 もっとも、ギーシュ程度が相手なので断定するにはあれですが・・・」 その言葉を聞いたオスマンの視線が射抜く。 「ギーシュ『程度』じゃと?そういうのはこれを見てから言うもんじゃ」 オスマンが机の引き出しから一枚の紙を取り出してコルベールに見せる。 「図書借りだし上位者名簿?」 オスマンがある箇所を示すと、そこには『ギーシュ』の名前があった。 「ここ最近奴は魔法書ばかり借りておるし、夜中に寮を抜け出して特訓しとるわい。そんな勤勉な生徒を捕まえて『程度』じゃと?教師が生徒を知らぬでどうしようというのか!」 オスマンの叱責にコルベールは返す言葉がなかった。 「以後気を付けよ。話を戻すぞ・・・伝説では一個軍隊を一人で相手取るほど強力な力を持っていた、とあったのう」 その言葉にコルベールは鼻息を荒くして捲し立てる。 「そうです!始祖ブリミルの呪文詠唱のための『盾』とまで呼ばれた規格外の存在!それが現代に蘇ったのですよ!あの『ガンダールヴ』がッ!」 「落ち着かんかい。で、その使い魔の契約者、ルイズと言えば・・・」 今にもイヤッホオーッと飛び上がりそうだったコルベールが途中で固まる。 「・・・魔法はからきし。まるで使えません。努力はしてるようですがなぜかさっぱり」 「ふむ、魔法が使えんメイジと伝説の使い魔がなぜ組んだのか。理由はわからんが、この件は私が預かるゆえ、他言無用じゃ。DO YOU UNDERSTAND?」 「YES! YES! YES!」 「わかったなら退がりたまえ。もう昼飯時じゃ」 コルベールはうやうやしく頭を下げると退室した。 一人になったオスマンは窓の外から空を見上げて呟いた。 「いい天気じゃ・・・まるで台風の目にいるような・・・のう」 ところ変わって食堂の裏の厨房。昼飯時ということもあり、人々は大分忙しく動き回っている。そんな厨房の片隅でウェザーは食事をしていた。 「おかわりならありますからね」 「ああ、じゃあお言葉に甘えようか・・・」 シエスタは微笑んで奥に消えた。 しかし助かるな。俺は今ルイズに飯を抜かれているから、シエスタがいなければかなりまずい状況になっていたな・・・。 腹が少し膨らみ落ち着いたのも手伝って、ウェザーは一週間前のことを回想し始めた。 一週間前へバイツァ・ダスト! ルイズの言う通り、二人で掃除したら昼には終わり、なんとか昼飯を食いっぱぐれるのは防げると安心して、なぜか上機嫌なルイズと食堂へ向かうと、入口にシエスタが立っていた。 こちらに気付くと急いで駆け出してきて、ウェザーの前で俯いたが、意を決したのかウェザーを見上げた。 「あの・・・すいません。あの時逃げ出してしまって」 本当に申し訳なさそうに謝る。誠意が確かに伝わった。 「気にしなくていい・・・俺が勝手に買った決闘だ」 「それで、お詫びと言ってもなんなんですが、料理をご馳走しようかと・・・」 「あ、アンタ何言ってんのよ!そんなの許すわけないでしょ!」 隣で眉をピクピクさせていたルイズが口を挟んできたが、ウェザーは素早い動作でシエスタの肩に手を回してシエスタに厨房まで案内を頼んだ。 「ちょっとウェザー、なんでそっち行くのよ!アンタの食事はこっち!」 「カワイイ女の子が恥を忍んで誘ってくれたのを断る理由があるか?いや、ないね。第一そっちにあるのは食事じゃない、『何かの汁』だけだ」 どこか慣れた手付きで赤くなってるシエスタに寄り添うウェザーにルイズはわなわなと震えた。 「あ、あ、アンタなんか一ヶ月飯抜きなんだからーッ!」 あとメイド、肩組まれたからってどさくさ紛れにくっつきすぎよ! その日、食堂でちょっかいかけてきたマリコルヌにルイズは『瞬獄殺』を決めたと言うがそれはそれ。 そして現在に至る。あれからルイズはマジで食事を抜いた意外で突っかかることはなくなった。部屋の掃除や洗濯はのらりくらりとかわしながらたまに手伝ってやる程度だ。 夜遅くまで魔法の練習をしているのか煤だらけで帰ってくることも多々あった。 「お待たせしましたウェザーさん」 「ああ、ありがとう」 あの後、ウェザーの食事抜きに対して責任を感じたシエスタが賄いを恵んでくれているので餓死は免れている。 監獄暮らしが長かったせいもあって、美味しいものに飢えてはいたが、この料理は至高の美食家さえ唸らすだろうと思えた。 そんな究極に近いスープを一口すする。 「ん?これは・・・」 「気付きました?マルトーさんが隠し味に『ネオホンコン』を入れたんですよ。有名なワインなんです」 「確かにこいつは上手いな。何と言うか、王者の風だな」 「全新?」 「系列」 「天破!」 「狂乱!」 「見よ!厨房は赤く燃えている!」 最後の方はウェザーの賛辞を聞いた料理長マルトー以下厨房の面々が叫んだものだ。 「そうだろう『我らが剣』!手に入れるのには苦労したが、お前のためなら躊躇なく使えるぜ!」 そうだそうだ!と厨房中で雄叫びが上がる。食品衛星によくないぞ。 シエスタと一緒に初めて厨房に行った日、扉を開けてかけられた第一声が『我らが剣』だった時は新手の宗教かと焦ったが、実際は気のいい料理屋集団だっただけだ。 マルトーやシエスタが笑うと、その陽気さに釣られるようにウェザーも微笑む。 平和な時間が過ぎていた。 しかし、今日はそんなウェザーを陰から覗きこむ赤と青とピンクの影があった。若いコックがそれに気付くと、三色は散り散りになって消えた。 ウェザーは放課後になるとギーシュを捕まえて外をぶらつく。目の前を三年生の女性が二人通り過ぎた。 「ナンパの仕方を知ってるかギーシュ?」 「そりゃあ、きっかけを作ってアタックあるのみだろう?」 「違うな。いいか?まず女とそこの木を比べるんだ。そこの木よりマヌケそうなら絶対に引っ掛かる」 そう言うやいなやウェザーは三年生二人に声をかけた。ウェザーの言う通り簡単に引っ掛かった。 「ヤッベ!カッコイイ!2人ともヤッベ!あんたどっち?どっちにすんのよ!」 騒いでいる四人の中から、やはりウェザーだけを見ている影が三色。建物陰から顔だけを出している。 「あ、あの盛りのついた犬~、顔見せないと思ったらナンパなんかしてるし!」 「きゅるきゅる」 「きゅいきゅい」 「しかもご飯抜いたらあのメイドに餌付けされてるし!」 「きゅるきゅる」 「きゅいきゅい」 「『俺はお前を信じるさ』とか言っときながらなんなのあれは・・・ってうわぁ!」 ようやく自分の後ろに二匹いたことに気付いたピンクことルイズ。 いきなり叫ばれてビックリしたのか赤と青――フレイムとシルフィードは全速力で逃げていった。 さっきまでは下からルイズ、フレイム、シルフィードの順に顔が並んでいたのだ。 「なんなのよあいつら・・・キュルケとその友達の青髪の使い魔よね?ってああ!」 ルイズが視線をウェザーの方に戻した時にはすでに四人は消えていた後だった。 ギーシュとナンパをした(結局ギーシュがモンモラシーに見つかり『特訓』するからと引きずられていき冷めたのでわかれた)日の夜にルイズの部屋に戻ると扉が開かないのだ。鍵がかかっている。 「おいルイズ、いないのか?」 へんじがない ただのるすのようだ。 一応隙間から風のセンサーを入れて見たが動くものはなかった。 さて、どうするかと思案に暮れていると何かが裾を引っ張った。足元を見ると暗がりでも明るいトカゲ、キュルケの使い魔フレイムがいた。 「どうした?お前も中に入れないのか?」 尋ねるとフレイムは律儀に首を横に振り、きゅるきゅると人懐っこく鳴いた。そして背を向け少し歩くとこちらを気にしてちらちら見てくる。 ・・・ついてこいということらしいな。 フレイムは開いているドアの中に消えた。入れということらしい。そう言えばここは確か―― 部屋の中は真っ暗だった。一応警戒して風のセンサーを放つと、フレイム以外に部屋の奥に一人動く反応があった。 「扉を閉めて」 ウェザーは言われた通り閉めた。 「ねえ、こっちにいらっしゃいよ」 「暗すぎて歩けん」 キュルケが指を弾くと部屋の中のロウソクがキュルケに向かうかのように火を灯した。 照らされたベッドにはベビードール姿のキュルケがいた。悩ましげな肢体が誘惑するかのようにくねる。 「どうしたの?いらっしゃいな」 色っぽい声が耳をうつ。百人の男が百人とも蕩けてしまいそうな声だ。しかしウェザーは戸惑う風もなくキュルケのベッドに歩み寄る。 「あなたはあたしをはしたない女だと思うんでしょうね」 「本能に忠実なのさ君は」 「そうね。でもどうしようもないの。あたしの二つ名は『微熱』」 キュルケのしなやかな指が立っているウェザーの足をなぞる。 「恋の微熱の前では理性なんてバターのように溶けてしまうわ。いけないことだとわかっていても止まらないの。わかる?あたしはあなたに恋をしているの。 恋はまったく、突然ね」 「嵐のようにな」 ウェザーは自分が誘われているとわかると、キュルケの肩を押してベッドに倒した。 「あら、あなたも気が早いのね。嫌いじゃないわ。でも、聞いて?あたしがあなたに恋をした理由を。 あなたがギーシュを倒した時、まるで雷で打たれたような衝撃を受けたわ。そう、微熱が情熱に変わった瞬間よ!」 キュルケは自分に覆い被さるウェザーの胸に『の』の字をなぞりながらうっとりと話し続ける。 「フレイムを尾行させたのはごめんなさい。あなたの事が気になってしょうがなかったの」 そこまで言うと首に手を回して、目をつむる。 ウェザーとキュルケの吐息が混ざり合い、一つになろうとした時、窓が叩かれた。そこにはハンサム顔の男がいた。 「キュルケ!待ち合わせ時間は過ぎてるというのに・・・」 「ペリッソン!ええと、二時間後に」 「話が違う!」 キュルケは胸の谷間から杖を抜くと煩そうに振るった。ロウソクの火が大蛇となり窓ごと男を吹っ飛ばした。 「まったく、無粋なフクロウね」 しかし休む間もなく男たちが壊れた窓に群がる。 「キュルケ!そいつは誰だ!」 「もう!フレイムお願い!」 フレイムが群がる男たちに向けて火を吐くと、全員仲良く落ちていった。 「あのね、ウェザー、あれは何でもないのよ?」 再びキスをしようと唇を近づけるキュルケに対してウェザーは冷めていた。キュルケの口を手で押さえて押し戻す。キュルケが上目遣いで寂しそうな顔をするが、ウェザーは気にしない。 「別に何股に対して怒っているわけじゃあない。恋は自由だが恋は嵐だ。来るときは激しく、去るときは突然だ・・・」 そのまま踵を返して部屋を後にしようとするとキュルケが足にすがりついてきた。 「お願い、待って!あたしは本気なの!」 泣きじゃくるように足に頬を擦り付けてくるキュルケわ振り払うことはできなかった。 だが、ウェザーは多少の罪悪感を感じようともキュルケを振りきるべきだったのだ。 「・・・アンタ何してるの」 瞬間、ウェザーとキュルケは凍りついた。声の主はわかっている。だが、その主からは創造もつかないような冷たい声だったのだ。 「・・・ルイズ・・・見てわかると思うが大したことじゃあないんだ」 「大したことじゃあない?女が膝立ちで腰にくっついてるのが・・・大したことじゃないわけないだろがあぁぁぁぁッ!」 プッツンしたルイズは素早く杖をウェザーに向けると『フライ』の呪文を唱えた。短い呪文だがウェザーならかわせる。もっとも、キュルケに下半身を捕まれてなればの話しだが。 「待てッルイズ!」 「光になれえぇぇぇッ!」 この夜一番の爆音が夜空に響いた。 この後ルイズと部屋に戻ったウェザーは、わなわな震えるルイズからツェルプストー家との因縁を聞かされ、理不尽に襲いかかる鞭をエアバッグで防ぎながら説得するために徹夜を余儀なくされ、その成果も更なる三ヶ月の飯抜きだった。 疲れた眼で昇り行く朝日を見て、今日も晴れるな、と確信した。
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びねつとしょうそう【登録タグ はるふり ひ 曲 殿堂入り 重音テト】 作詞:はるふり 作曲:はるふり 編曲:はるふり 唄:重音テト 曲紹介 休んだ次の日 絵師の非狐氏とのコラボ作4曲目。 歌詞 (動画歌詞より転載) 甲高い声で目が覚めた ベルの音は既に嗄れている サイレントサイレンが鳴り止まないから 僕はいつも二度寝するのさ 曖昧な言葉の裏側に 隠された秘密の伝言 サイファイなサイファーだ 解けるはずもない 僕はいつも蚊帳の外 灰暗い 迷っているんだ 進むあても分からぬまま 痛い位の劣等感と遊んでる 街道照らすヘッドライト その急展開な世界を見せて 回動睨むエンドライト でも新連載にゃ関係無いぜ 疎外感と二人 相対する感情 でも体裁(ていさい)変わんない さめざめしたいんだ ワンルームの隅っこで顔面フルメッキ でも状況変わんない どうしようもないなぁ 愉快な空気に殴られて 居場所も揺蕩(たゆた)う靴の底 ハイファイなハイライト求めて歩けど 僕はいつも一人きり 灰暗い 探しているんだ 示す地図も貰えぬまま 痛い位の劣等感と踊ってる 街道照らすヘッドライト その急展開な世界を見せて 回動睨むエンドライト でも新連載にゃ関係無いぜ ローエンドな奈落の底見て安寧(あんねい) ハイエンドな脳内電波と焦燥 街道照らすヘッドライト その急展開な世界を見せて 回動睨むエンドライト でも新連載にゃ関係無いぜ 街道照らすヘッドライト もう電池が切れて何も見えないぜ 回動睨むエンドライト でも最終回にゃ通用しないぜ コメント 追加乙です!右に曲ガールに続いて中毒性やばい…素敵です! -- 名無しさん (2015-05-10 22 24 59) はるふりさん、新曲出しましたよねっ! -- 名無しさん (2015-06-05 06 59 40) この曲本当に大好きです! -- 名無しさん (2016-09-11 00 35 05) 名前 コメント
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Spontaneous rupture of hepatocellular carcinoma(肝細胞癌自然破裂) 腹部エコーにて内部不均一なHigh ecohic massを認め、肝表面にはわずかながら腹水の貯留が認められました。 肝細胞癌(HCC)のspontaneous ruptureを疑い、他院へ紹介しました。 転院先にて行った腹部造影CTにても、中心部が壊死と思われる低吸収域を示し、動脈相にてやや高吸収域、 門脈相にてモザイクパターンを示す腫瘤影が見られ、肝細胞癌の診断となりました。 バイタルサインが落ち着いていたので、翌日に血管造影と肝動脈塞栓術が行われました。 肝細胞癌の自然破裂は決して稀ではなく、1991年の日本からの報告ではHCCの死亡原因の10%程度を占めると 報告されていますが、近年の診断技術の進歩により、早期のstageにてHCCが発見されるようになってきた ため、その頻度は減少傾向にあるようです。 症状は、多くが突然の心窩部痛や右上腹部痛で発症。HCCが見つかる初発症状となることも多く、病歴上、 本症例のように軽い打撲や体動があるケースも存在するそうです。 診断は腹部超音波やCTが有効で、超音波では高エコー域として,破裂部位が描出されることが多く、また 腹水の証明も大事な所見です。--血清腹水(hemoperitoneum) 血管造影も診断に有用で、継続して治療まで行えるというメリットがあります。 治療は・全身的保存的治療---輸液や輸血、ショックへの対応 ・肝動脈塞栓術 Transcatheter arterial embolization(TAE) 肝機能の悪い患者も適応となるので1st choice ・肝切除術 肝機能が良い患者で、単発性ならば適応。 (以上Bri J Sur;1996,83,602-より抜粋) ちなみに本例はHBs-Ag陽性でした。 9/22/2000 久松・松木薗
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前ページ次ページ“微熱”の使い魔 先生が目を回してしまったために授業は一時中断され、急遽召喚した使い魔とのコミュニケーションの時間に変更された。 教室を吹っ飛ばしたルイズは、罰として魔法なしで掃除を命じられ、他の生徒は中庭のほうへと移動していった。 中庭にはいくつもの丸テーブルが並べられ、ちょっとしたオープンカフェみたいになっている。 使い魔を膝に乗せて優雅にお茶を楽しんでいる生徒や、草の上でじゃれあっている生徒。中には、使い魔ではなく異性とのコミュニケーションを行っている者もいたが。 生徒たちの中には、エリーとキュルケの姿もあった。 ただ、タバサの姿はない。 みんながルイズ(と才人)を残して移動する途中、 「これから用事があるから」 そう言って一人、使い魔の青いドラゴンに乗ってどこかにいってしまったのだ。 エリーとキュルケの二人、彼女らの行動は他の生徒と若干異なっていた。 最初は二人とも席に座ってあれこれと話していたのだ。 ところが、エリーが突然他の人間の目も気にせず、庭の隅のほうに座りこんでしまった。 落ちこんでいるわけでも、泣いているわけでもない。 あちこちにはえている草を採りながら、うんうんとうなっているのだ。 キュルケもそれを止めるでもなく、後ろからじっと見ていた。 「……やっぱり、魔法の草だ」 エリーは採った草を見ながら、驚きと確信をこめてつぶやく。 シグザールではあちこち見られる珍しくもないトーンという草。しかし、錬金術士の間では魔法の草で通っているものだ。 錬金術において、一番最初に調合方法を学ぶアイテム――中和剤。 それぞれ属性の異なる材料同士を調合する際になくてはならないアイテムである。 その中和剤の中で、緑の属性の材料となるのが、この魔法の草だった。 「そんな雑草から、薬ができるの?」 信じられない、という顔でキュルケが言った。 「薬っていっても、それ自体は本当に毒にも薬にもならないようなものだけど……。でも、調合には必ずっていいほど必要なものなんです」 「ふーん……。こんなどこにでもあるような草がねえ?」 「あ、そうだ! 綺麗な水の出る場所ないです? あと……カノーネ岩がとれる場所とか」 「水なら、井戸場じゃない? ここの水はいいとか、料理人たちが話してたわ」 「ふんふん、井戸場ですね」 「それと、カノーネ岩、だっけ?」 キュルケは人差し指を下唇に当てながら、うーんと空を見上げた。 昨夜、エリーの本で見た、赤い岩石の図を思い出す。 「あれと同じものを冬に見た覚えがあるわね……確か、平民たちが暖房用か何かで使ってたのを見たわ――」 「そっかあ、よし!」 エリーはぽんと手を打って立ち上がった。 「キュルケさん、井戸場ってどこですか?」 ウキウキした表情でたずねるエリーに見て、キュルケはやれやれと苦笑した。 「こっちよ」 そう言いながら、キュルケはエリーを先導するように歩き出した。 井戸場で水を汲んでいたシエスタは、二人連れ立ってやってくる人物を見て、その手を止めた。 見事な肢体を強調するように服を着こなした褐色の少女と、見慣れないオレンジの服を着た可愛らしいが地味な印象の少女。 使い魔召喚の儀式で、人間が召喚された。それも二人も。 このことは、学生たちのみならず学院で働いている平民たちにも広がっていた。 しかも召喚したのは、貴族でありながら魔法の使えない“ゼロ”こと、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 そして、その多情さで知られ、影では淫蕩とさえ呼ばれる“微熱”のキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。 どちらも色々な意味で周囲に話題を提供している少女である。 「あら、ちょうど水をくんでるわね」 キュルケはシエスタを見て言った。 「すみませーん、ちょっとお水を見せてもらっていいですかー?」 オレンジ服の少女はメイドであるシエスタに敬語で呼びかけながら走り寄ってきた。 「は、はい…!!」 貴族からそんな言葉を受けるなど、予想だにしていなかったシエスタはいつも以上に頭を下げながら、二、三歩ほど後ろによった。 少女は――何というか、珍しい虫や動物でも観察する男の子のような目で、桶の水をのぞきこんでいた。 近くで見ると、遠目以上に地味というか、野暮ったい印象を受ける。 ヴァリエール嬢は平民の少年を、ツェルプストー嬢は異国のメイジを召喚した。 シエスタの聞いた噂ではそのようになっている。 「朝、ゲルマニアのお嬢様と一緒にいるの見たけど、貴族っていってもありゃ相当の田舎者ね。物腰といい立ち振る舞いといい、野暮ったいたらありゃしないわ」 そんなことをメイド仲間が話していたのを思い出す。 「あのー」 「は、はい!! 何で、ございましょうか……?」 声をかけられたシエスタは、思い出していた内容が内容なだけにまさに震え上がって、つっかえながら答える。 「桶の水、飲んだり、触ったりしていいですか?」 「は、はい! どーぞ!」 シエスタはどう考えても不自然な声音で言いながら、心の隅っこで、何故この人は平民相手に敬語なのだろうと考えていた。 少女は首をかしげてシエスタを見たが、すぐに桶のほうへ視線を移し、その水を手ですくった。 「うん…。色も澄んでるし……いい感じ」 少女は嬉しそうにつぶやき、すくった水を飲む。 「これなら…十分いける」 そう言ってすっくと立ち上がった。 「材料になりそう?」 キュルケが言った。 「はい! これで後は……あ、いけない」 忘れるところだった、と少女は手を鳴らして、シエスタのほうを振り向いた。 「あの、ちょっとお聞きしたいんですけど、カノーネ岩ってご存知ですか?」 「かのー…え?」 耳慣れない言葉に、シエスタは記憶の倉庫をあれこれ引っ掻き回してみたが、該当するものは見当たらなかった。 「こっちじゃ、そういう言い方はしないと思うけど?」 助け舟を出すように言ったのは、キュルケだった。 「ああ、そうか。そうですよね。えと、ですね……」 少女はキュルケの言葉になるほどうなずき、これこれこういった、赤い岩なんですけれど、と身振り手振りを加えて、その外見や性質を説明し始めた。 「それは……多分、暖炉石のことだと思いますけれど……」 魔法の使えぬ平民が、懐炉や火を起こす携帯用の道具としてよく使うものだ。ただし、火に近づけると発火するという性質があるので今ひとつ勝手がよろしくない。 「でも、このへんではあまり採れないですし……それに、大抵冬場にしか使いませんから………」 「え…じゃあ、ないんだ」 「あの、でも、もしかすると倉庫に、予備のものが少し残っているかもしれません」 がっかりと肩を落とす少女に、シエスタはあわてて言った。 「ほんと!?」 「……ですが、確実にあるかどうかは」 「ちょっとでもいいんです」 少女は笑顔で言った。まったく屈託のない、純朴な笑みだった。 シエスタの中で、故郷の村で一緒に育った家族や、友人の顔がオレンジの少女の顔と重なる。 「わかりました。ちょっと時間がかかるかもしれませんが……」 「ありがとう! ……あ、私はエルフィール、エルフィール・トラウムって言います」 いけないとばかりに、少女は名前を名乗った。 「私はシエスタと申します。この学院で、ご奉公をさせていただいているものです」 「私は――私は…その、何というか、キュルケさんの使い魔として呼ばれちゃったというか……あ、私のことは、エリーでいいよ」 「と、とんでもない! 貴族のかたを、そんな風に……滅相な」 「きぞ……あのう、よく間違われるんだけど、私は別に貴族じゃないから、そんなにしなくてもいいですよ?」 エリーは困ったようにアハハ…と笑ってみせた。 「貴族のかたでは、ないのですか?」 「この子の国では、平民でも家名があるの。中には名乗らない人もいるらしいけどね。それより……挨拶もいいけど、あまり時間かけてると……もうお昼始まってるわよ?」 キュルケは説明するように言った後、ぽんとエリーの肩を叩いた。しかし、エリーは反応しなかった。怪訝そうな顔で、別の方向に注目している。 キュルケも、シエスタも、そちらの方向に目を向けた。そこには、憂鬱そうな顔で歩いている、平民の少年が。 「ヒラガくーん、おーい」 エリーが呼びかけると、少年はちょっと情けない笑顔を浮かべた。 失敗魔法の爆発によってめちゃくちゃになった教室が、どうにか見れるものになったのは昼前のことだった。 机を運び、ゴミを片付け、ガラスを拭く。ただでさえ広い教室をほぼ一人で掃除した才人の胃袋は、いい具合に“ぺこぺこ”になっていた。 ちなみにルイズはというと、終始ぶすっとした顔で、やったことといえばしぶしぶ机を拭いたという程度である。 才人はそんなルイズにちょっとむかつきはしたものの、朝に栄養をたっぷりととっていたおかげか、まあ、しょうがないかと思うことができた。 これがもし、あの貧しい残飯ちっくなものだけであれば、こんな余裕はなかっただろう。人間、空腹になると短気になりやすいものだ。 “ゼロ”の由来を知って、ちょっとからかってやろうかと考えもしたが、やめておいた。 下手に刺激すると、また鞭の洗礼を受けかねない、いや、確実に受けるであろう。それに、才人はあまりルイズと話をしたくなかった。 初めて見た時は、グンバツに可愛い子だと思った。少なくとも、見た目は脳天を直撃せんばかりに才人の好みだった。これでもし待遇が今より良かったら惚れてしまったかもしれない。 しかし、中身のほうは最悪だ。態度がでかいってレベルじゃない。 “ツンデレ”だとか、“ワガママ”だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてない。もっと恐ろしいものの片鱗を味わった。 大掃除をした疲れよりも、鞭で打たれた痛みのほうが後を引いていた。 そして、痛いのは、体だけではなかった。 「あー、腹へった! めしめし」 才人は首をこきこき鳴らしてつぶやきながら、食堂へ向かうルイズに続く。食堂に、エリーがいたらまた飯をわけてくれるかなあ、などと考えながら。 途中で、いきなりルイズが立ち止った。 「何も、言わないの?」 何かを押さえ込むような声で、ルイズは前を向いたままそう言った。 「“ご主人様”の二つ名の由来はようくわかりましたよ」 才人はルイズから目をそらしながら、独り言のように言った。“ご主人様”に、皮肉をこめて。 二つ名の言葉を聞いた途端、ぴくりとルイズの肩が揺れたが、才人はそれを見てはいなかった。 「でも、そんなの俺には関係ねえし」 それは、まごうかたなき本音だった。 「関係ない?」 キッとして、ルイズは振り返る。 「俺はしがない使い魔でございますから。“ご主人様”のプライバシーに口はさむことなんかいたしません。保護者でもお友達でもございませんから」 「ずいぶん強気ねえ……。ちょっとツェルプストーの使い魔にちやほやされたからって、調子に乗ってるんじゃないの? 後で泣き見ても知らないからね」 「なんだと?」 「あの淫乱で男好きなゲルマニア女の使い魔やってるようなやつだもの。見た目はしょぼくても、中身はあのツェルプストーと同じようなものかもよ。大体、会って間もない男に色目使って、食べ物で釣って、いやらしいったらありゃしないわ!」 「おい……」 ずいと、才人はルイズに近寄った。 「なによ……」 「俺のことは、まだいい。犬呼ばわりされても、鞭でぶたれても、納得なんか……できねーけど、まだいい! だけどな、あの子まで、エリーのことまで悪く言うな!!」 「な……!!」 才人の殺気だっているとさえいえる態度に、ルイズは言葉を失った。 普段の抜けているような表情からは、想像できない鋭い視線がルイズに容赦なく突き刺さる。 事実、才人は押し殺してはいるが、まぎれもなく激怒していた。 この世界にきて、最初にまともな対応をしてくれた、“同じ使い魔という立場”の少女。ルイズから受けた扱いが動物並であったため、エリーから受けた優しさはずしりと響くものがあった。 それはひな鳥が生まれて始めてみるものを親と認識することに、似ていたかもしれない。 平賀才人、親教師双方から抜けていると評価される少年ではあったが、“恩人”を侮辱されて、黙っているような“すくたれ者”ではなかった。 もしもルイズは男であったなら、真っ向から喧嘩を売っていたかもしれない。 怒鳴りつけられたルイズは、しばらく呆けたように口をパクパクさせていたが、悔しそうに才人を睨みつけた。 「ごごご、ご主人様に向かって、ななな、なんて、口のききかたするのかしら……」 声が震えている。 「何だよ、また鞭でぶつのかよ?」 「何で……あんたなのよ」 「あン?」 「何で、あんたみたいな礼儀もわきまえない平民が、私の使い魔なのよ!!!」 「そんなこと、俺が知るか」 激昂するルイズに対して、才人はかえってさめた視線になっていた。二人の間の空気が、さらに険悪なものになっていく。 そして、食堂につくまで無言状態が続いた。 食堂の入り口手前で、ルイズはぴたりと静止した。かと思うや、ぐるんと振り返り才人を睨みつけた。 「あんた……ごはん抜き。反省するまでごはん抜き……! 言っておくけど、またツェルプストーに施しなんか受けたら許さないからね!!」 ルイズはまだ震える声でそう宣言した。といっても、それは迫力内容ともに著しく威厳や威圧感に欠けるものだ。 幼児が口喧嘩で劣勢になった時、悔しまぎれで叫ぶ憎まれ口――そんなようなものだった。 「あー、さようございますか。まあ、俺が飢え死にしたら、新しい使い魔呼べますからね。ご主人様としてはけっこうなことでございましょうね」 「………!」 才人の言葉にルイズはひるむ。まさか、そこまでするつもりはない。腹いせと脅しを兼ねたものでしかなかったのだ。 ふん、と鼻を鳴らして、才人はルイズから離れていく。 「ど、どこいくのよ!」 「どこだっていいだろ」 「な…なんですって!?」 「それじゃあな。せいぜい始祖のなんとか様に感謝して、ご馳走たらふく喰ってくださいよ」 ルイズが何か叫んでいたが、才人は耳をふさいでスタスタと歩く。もうあのヒステリーにはうんざりだった。 「って、えらそうには言ったもののなあ…」 適当にあちこちをうろつきまわった後、才人はすきっ腹を押さえて嘆息する。 さっきは怒りのあまりつい大見得を切ってしまったが、人間プライドでは腹は膨れないのだ。 腹だけではなく、喉も渇いていた。 「水……」 せめて、水で腹を膨らまそう。そう考えて、才人はきょろきょろと水飲み場を探した。 そうするうちに、何やら人の話し声が聞こえてきた。 どうも若い女の声らしい。それに、何か聞き覚えもあるような。 声に釣られるように、ふらふらとそちらへ足を向けると、見覚えのある少女たちが、井戸場で黒髪のメイドと何か話しているようだった。 少女の一人は才人を見つけると、親しげに声をかけてくる。 エルフィール・トラウム。 才人は何とか笑顔を作って、それに応えた。 前ページ次ページ“微熱”の使い魔
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びねつのほほえみ、びしょうじょはかすかにまどろーむ【登録タグ kiichi ひ 初音ミク 曲】 作詞:kiichi(なんとかP) 作曲:kiichi(なんとかP) 編曲:kiichi(なんとかP) 唄:初音ミク 曲紹介 林檎氏との共作EP『阪急沿線EP3』収録曲。 歌詞 微少女の微笑み 絶妙の微妙 矮小な自分に酔った 症状は重い びしょ濡れの放課後 おーいお茶零した 微熱を帯びた 微妙な顔面 びびってたって ばれてた? 箱の中の庭の花 もくもく勝手に育ってく 忘れた恋 鮮やかに蘇ってく でも相手はあの子 私じゃ敵わない、叶わない…… ららら るるる 微少女の心の臓 療養が必要 この世で一番不幸な私…… 微笑ってじゃないわヨ 箱の中の庭の花 もくもく勝手に育ってく 除草剤を 鮮やかにまき散らしたい あの子に食らった劣等感ウンター 立ち上がれない らららら 悪夢は らららら 忘れた らららら 悪夢は らららら 忘れた…… デイドリームに微睡ーム 秘めやか密やか 微レ存の未来 見せてください コメント 追加おつ! -- 名無しさん (2013-05-31 19 53 29) 名前 コメント
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B 医療面接の意義 小項目 医療情報の収集,医師患者関係の確立,説明,告知,教育,調整,動機付け 102H21 28歳の女性。1週前に嘔気で受診し,薬剤を処方された。その後,別の医療機関で妊娠と診断された。薬剤による胎児への影響を心配して,薬剤を処方した医療機関に再来院した。 対応として適切なのはどれか。 a 「当院の産婦人科に入院して中絶しましょう」 b 「妊娠や服薬の状況について詳しく教えてください」 c 「あなたが不注意なために,こういう問題が起こったのですよ」 d 「病院の苦情を担当する課が対応しますので,そちらで相談してください」 e 「なぜ,そんなことを考えるのですか。元気な赤ちゃんを産むように頑張りましょう」 × a ○ b × c × d × e 正解 b 100B25 52歳の女性。腹痛を主訴に来院した。数年前から時々上腹部痛があり,昨年上部消化管造影を受け十二指腸球部の変形を指摘された。夫と二人暮らしである。5日前から空腹時にみぞおちが鈍く痛むようになり,2日前から黒色便が続いている。少し動くと動悸がする。意識は清明。身長 157cm,体重 48kg,体温 36.5℃。脈拍 112/分,整。血圧 92/60mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。心雑音はなく,呼吸音に異常はない。上腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球 270万,Hb 7.0g/dl,Ht 21%,白血球 8000,血小板 24万。担当医は緊急上部消化管内視鏡検査と入院治療とが必要であると考えて説明を行ったが,患者は「夫の世話をしなければならないので,内服薬をもらって帰りたい」と言っている。 検査と入院とを勧める際,信頼関係の構築に適切でないのはどれか。 a 指示に従わない限り治療しないと示唆する。 b 検査で判明する疾患を説明する。 c 入院治療の効果を強調する。 d 病態の重篤性を説明する。 e 家族の協力を依頼する。 × a 禁忌 ○ b ○ c ○ d ○ e 正解 a 診断 上部消化管出血 99B8 医療面接について誤っているのはどれか。 a 非言語的コミュニケーションは医療情報の収集に必要である。 b 感情面に対応した応答は信頼関係の構築のために必要である。 c システムレピューを行うと社会歴についての情報が充実する。 d 解釈モデルを把握して対応することによって患者満足度は高まる。 e 患者教育が十分に行われると治療へのコンプライアンスが高まる。 ○ a ○ b × c ○ d ○ e 正解 c
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前ページ次ページ“微熱”の使い魔 魔法学院の教室は、ザールブルグのアカデミーのそれとよく似ていた。似ていたが、アカデミーと比べると若干硬質というか、エリーには柔らかさが欠けるように感じられた。 それはおそらく、この学院が純粋な学問の場というわけではなく、“貴族”の教育機関としての側面を持ち合わせているためかもしれない。 アカデミーは真理の探究たる錬金術を学ぶ場所ではあるが、その基盤を作り上げた最大の功労者である、ある女性の気質を受け継いでか、学内には良い意味での柔和がある。 もっとも、それが災いしてか卒業試験に数年を費やすというとんでもない“つわもの”を輩出することもあったが。 それがさておき。エリーはちょっとおっかなびっくりで教室を見回していた。 教室には猫や犬、ネズミやカエル、蛇といった動物たちもいたが、田舎育ちであるエリーにとってはそれらは特に驚くべきものではない。 原因は、そこかしこをうろついているモンスターたちだ。 スキュアとかいう蛸人魚に、バグベアという目玉のお化け。六本足の大きなトカゲ。いずれもエリーの知らないモンスターであった。 メイジが自らの使い魔を召喚する魔法サモン・サーヴァント。 キュルケから聞かされた時は、すごいとか、やってみたいなとか思ったりしたエリーだが、この連中を見ているとそんな気分もぷしゅーと音を立てて萎んでいく。 普通の動物ならまだしも、ヴィラント山のアポステルや、森の死神クノッヘンマンなんていうちょっと御免こうむりたいのが召喚されないとも限らないからだ。 エリーがキュルケにモンスターや動物たちのことを聞いたりしていると、ルイズと才人が入ってきた。 ルイズは相変わらずの仏頂面で、才人のほうも同じような表情で、顔に小さな筋みたいな痕がいくつものできていた。 「ヒラガくーん」 エリーが声をかけると、才人は表情を和らげて、おうと手を振った。 「何をにやけてるのよ、このバカ使い魔!!」 「あ……!」 その光景にエリーは思わず悲鳴を上げた。 ルイズは才人の反応にキッとなり、いきなりその顔をひっぱたいたのである。平手などはなく、鞭でだ。 どうやら顔のすじは、教室に入る以前にルイズからつけられたものらしい。 「いってえ……!!」 その一撃に、才人は怒りと苦痛の入り混じった声を上げる。 「ツェルプストーなんかから施し受けて、その使い魔にデレデレして……! どこまでわたしに恥をかかせるの!?」 「――お前には関係ないだろう!!」 「あるわよ!! ツェルプストーから食べ物めぐんでもらうなんて恥辱……。ご先祖になんてお詫びしたらいいのよ!!」 「お前の先祖なんかしらねえよ!! そんなに言うんだったら、もっとましな餌よこせ!!」 ぎゃー、ぎゃー、ぎゃー、ぎゃー……。 何ともはや見苦しい口論が際限なく続く。 ――うーーん……。 最初は止めようかと思ったエリーだが、あまりの凄まじさのためにすっかり気後れしてしまい、呆然とその様子を見つめるだけだった。 「あーあー、やっぱりやってくれたわねえ、あの子は」 キュルケは期待通りとでも言いたげな顔で、ルイズたちの言い争いを見ている。 エリーは才人が責められている原因が自分にもあるのではと、 「いいのかな、止めなくて……」 「ああいうのには下手に関わらないほうがいいわよ」 「とばっちりを食うだけ」 キュルケは肩をすくめ、タバサは本を読みながら言った。 まったくもって、その通りであろう。 二人の争いは教師がやってくるまで続いた。 「ミス・ヴァリエール、それにミス・ツェルプストー、二人ともずいぶんと変わった使い魔を召喚したようですね」 ミセス・シュヴルーズなる中年の女性教師は才人、それにエリーを見ながら、とぼけた声で言った。 くすくすと笑い声があちこちから漏れる。 キュルケのとなりに座るエリーは、シュヴリーズと目があうとちょこんと頭を下げる。ちなみに机の上にはキュルケから借りた筆記用具が並んでいる。 才人のほうはただ座っているだけだが、エリーのほうは授業を聞く気満々である。むしろ本来受けるべきはずのキュルケよりもやる気が感じられた。 ここハルケギニアの魔法が、貴族階級であるメイジにしか使えないことは、昨夜聞いている。 けれども、もしかすれば錬金術の技術に応用できるものがあるかもしれない。 エリーはそう考えて、キュルケから筆記具を借り受けたのだ。 そんなエリーをキュルケは楽しそうに、タバサは少し興味深げに見ていた。 当のエリーはまるで気づいてはいないが、シュヴルーズも内心少し驚きながらエリーを見ていた。 何というか、慣れている。 エリーを見て、最初に受けた印象はそれであった。 異国の人間であると噂では聞いていたが、席にちょこんと座る姿は、服装さえ同じものなら他の生徒たちと比べても違和感はないだろう。 ルイズの使い魔である才人が明らかに異質であるのに対し、エリーはいくらか緊張が見られるもののどうにも自然なのである。 それは人種的なものや、今まで過ごした生活環境の違い、特にアカデミーという魔法学院と似た場所で学んでいたという点が大きいのだが、シュヴルーズはそんなことなど知る由もない。 エリーを見つめ、若干注意力散漫になっていたためか、シュヴルーズは教室の笑い声が途切れていないことにすぐに気がつかなかった。 「ゼロのルイズ、召喚ができないからって、そのへんの平民連れてくるなよ!」 その声をきっかけに、笑い声はどっと大きなものへ変化した。 「違う! ちゃんと魔法は使えたわ! こいつが勝手にきちゃったのよ!!」 ルイズはいきりたち、からかった男子生徒を睨みつけた。 「……こっちだって好きできたんじゃねーよ」 才人はそう毒づくが、ルイズはまるで耳に入っていない様子。 「嘘つけ、サモン・サーヴァントができなかったんだろう?」 教室内の笑い声がげらげらと品のないものへと変わっていく。 ――何なの、これ……? その雰囲気に、エリーは顔をしかめる。 ルイズに対して決していい印象を持っているわけではないが、それでも大勢の前で笑い者にされる光景というのは見ていて不愉快なものだ。 「――それ、ひょっとしてわたしにも言ってるのかしら、かぜっぴきさん?」 キュルケがその赤い髪の毛をかきあげながら言った。 魅惑的な笑みを浮かべながら、ルイズをからかった男子生徒を見つめるが、その瞳はまるで笑っていない。 その途端、笑い声が急速に小さくなっていく。 「ぼ、ぼくは風上のマリコルヌだ。かぜっぴきじゃない」 キュルケの鋭い視線を受けながら、マリコルヌは顔をそらしながらもごもごと言った。 「はい、そこまでです。みっともない口論はおやめなさい」 シュヴルーズの厳しい声によって、教室の喧騒は終わりを告げた。 ルイズは何か言いたげにキュルケは見ていたが、視線が合いそうになると、ふんとそっぽをむいてしまう。 キュルケはそんなルイズに、ふっと微笑しただけだった。 やがて、授業が始まった。 「……土系統の魔法は、万物の組成をつかさどる重要な魔法であるのです。この魔法がなければ重要な金属を作り出すこともできず、加工することもできません。大きな石を切り出して建物を建てることもできなければ、農作物の収穫も……」 授業を聞きながら、エリーはこの大陸においてどれほど魔法というものが生活に浸透しているか、改めて実感した。 と、すると、その魔法を操るメイジたちの権力というか社会的な地位は、シグザールの貴族たちとはだいぶ異なりそうだ。 ならば、たとえばあのルイズの才人に対する傲慢な態度も決して例外的なものではないかもしれない。 ――何だか、やだなあ……。 シュヴルーズの話を、要所要所メモしながら、エリーはかすかにため息をついた。 話をひと区切り終えたシュヴルーズは、机の上に石ころを置いた。 何をするのかとエリーが少し身を乗り出していると、シュヴルーズは手にした杖を振り、呪文を唱えた。 すると、石ころは石からまったく別の金属へと変化していた。 ――お、黄金? いや、多分違う……。真鍮か何かな? でも、すごい……! 驚きのあまり、エリーは思わず立ち上がっていた。 シュヴルーズはそれを見て、こほんと咳払いをする。 「そこのあなた! 授業中ですよ、ええと……」 「あ、エルフィール・トラウムです」 「では、ミス・トラウム。まずあなたにやってもらいましょうか。この石を好きな金属に……」 「え!? ええと……」 いきなりのことに、エリーはしどろもどろになる。 キュルケもまさかそんなことを言われると思っていなかったのか、すぐにはうまい言葉が出なかった。 もじもじするエリーに、シュヴルーズは怪訝な表情を作っていたが、すぐにエリーが異国人であることを思い出した。 「し、失礼。ミス・トラウムは生徒ではありませんでしたね。あまり真面目な様子だったものですから……」 シュヴルーズは顔を赤らめ、ほほほと笑う。 「す、すみません……ついうっかり」 エリーも赤面して、うつむきながら着席した。 「それでは、ミス・ツェルプ……ミス・ヴァリエール! 授業中の私語は慎みなさい」 シュヴルーズはエリーの“主”であるキュルケに指名をしようとしたが、才人と話しているルイズを見て、それ咎めた。 「す、すみません!」 「おしゃべりをする暇があるのなら、あなたにやってもらいましょう」 え、わたしですか!? と、声をあげるルイズに、シュヴルーズはそうです、とうなずく。 「あ、あのミセス・シュヴルーズ! それはやめておいたほうが……」 青い顔で言ったのはキュルケだった。 「どうして?」 シュヴルーズの代わりに、エリーが言った。 「危険だからよ」 エリーのほうをむきながら、キュルケは簡潔に答えた。 「危険?」 どういう意味だろうか? エリーは首をかしげた。 「ミス・ヴァリエールが努力家だということは聞いています。さあ、やってごらんなさい。失敗を恐れていては何もできませんよ」 「は、はい! やります!」 シュヴルーズにうながされ、ルイズはふんと鼻息も荒く立ち上がった。 「ルイズ、やめて!」 キュルケが悲鳴をあげて止めようとするが、ルイズはかまわずに壇上へと進んでいく。 他の生徒もキュルケと同じような顔で、口々にやめろ、思いとどまれと叫んでいる。 「ねえ、みんなどうして怖がってるの?」 エリーはくいくいとキュルケの袖を引っ張る。 「爆発するのよ……あの子の魔法は」 キュルケは頭を押さえて言った。 「爆発……?」 ここの魔法もそうなんだ、とエリーは錬金術の調合で失敗した時のことを思い出した。 あの場合も爆発と共にせっかくの材料もみじめな廃棄物と化してしまう。もっとも、爆発といっても顔がすすける程度のかわいらしいものだが。 「でも、それくらいなら……」 あくまで錬金術での失敗例を考えながらエリーがそう言うと、キュルケはあきれたような顔になった。 「そのくらいって、あなた……」 「威力がものすごい」 いつの間にか机の下に身を隠していたタバサが言った。 「そうよ、怪我なんてしたくないでしょ!? ほら! そこの使い魔くんも隠れたほうがいいわよ!」 キュルケは才人に向かって叫んでから、エリーを引っ張って机の下に移動する。 他の生徒や使い魔たちも似たようなことをしていた。 ――何かおおげさだなあ……。 これってもしかして、いじめじゃないの? エリーは考えながら、机の下からルイズの唱える呪文を聞いていた。 やがて呪文が終わると、 轟音と衝撃が、教室を襲った。 「……ひゃああ!!」 突然のことにエリーは耳を押さえ、ぎゅっと眼を閉じた。 静かになった後、恐る恐る様子を見ると、教室内は見るも無残な状態になっていた。 使い魔たちが恐慌状態になって騒いでいる。阿鼻叫喚とはこのことだろう。 ルイズは煤だらけになりながら、憮然とした表情で立っている。そのそばでは、シュヴルーズが大の字になってぶっ倒れていた。 「ちょっと、失敗したみたいね」 これが“ちょっと”? 何か超然とした態度でつぶやくルイズを、エリーは呆然として見つめていた。 前ページ次ページ“微熱”の使い魔
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前ページ次ページ“微熱”の使い魔 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーの部屋には、野菜や土、それに水の匂いがいくつも入り混じり、独特の臭気となっていた。 棚には青や緑の液体が入った小瓶がいくつも並んでおり、その中でも下方の段には様々な器具がある。水メイジなどが秘薬の調合に使用する器具であった。 少し前までのキュルケの部屋と比べると、相当に変化している。 部屋の中央のテーブル。そこには緑色の薬らしき液体の入った瓶と、赤い土を固めたような球体が置かれている。瓶の中身はアルテナの水という滋養強壮に効果のある薬。赤い玉はフラムと呼ばれる簡易型の爆弾。 「やっぱり、材料が足りないなあ……」 二つのアイテムを見比べながら、エリーは頭を振った。 「なーんか不満そうねえ?」 キュルケはアルテナの水を手に取りながら、エリーの顔を見る。 「けっこう評判良かったわよ、これなんか」 学院内で用意できる器具と材料ながら、エリーの製作したアイテムは、いずれも非常に出来がよかった。 フラムはなかなかの威力を発揮したし、アルテナの水などは水魔法を補助する薬としてもかなり良いものであったそうだ。単独で使用しても効果があり、材料が安価で手に入りやすい点からコストの面でも優秀であるとか。 「それは嬉しいんですけど……」 エリーは軽くフラムをつついてから、キュルケのほうを向き直る。 「やっぱり学校の中だけじゃ限界があります。やっぱり錬金術は材料あってのものですし……」 「確かに色々あるものねえ」 キュルケは瓶を置き、本棚にしまわれていたエリーの参考書を開く。 「何だったら、私のつてで色々探してもいいわよ?」 メイジの望むもの、たとえば秘薬の材料などを採集する。それは使い魔の主な仕事の一つ。キュルケの“ボーイフレンド”の中にはそういうことに長けた使い魔を使役している者も大勢おり、それ以外にも薬草や鉱石などを入手するルートも知っている。 「そうですね……。でも、こういうのは自分で探して採取したほうがいい場合も多いんです。だから……」 「外に、材料を探しにいきたいって?」 「ええ、まあ……」 「活動的ね。そういうのはけっこう好きよ。……で、そういうこと言うってことは、採集に行く場所とか心当たりあるわけ?」 キュルケはにまっと笑ってから、たずねた。 それに対してエリーは、はいとうなずいた。 少し前に、シエスタにそれらしい場所はないかと聞いたところ、 「薬草やキノコが採れるところですか? ……ああ、学院の近くの森にはそういうものが意外に多いそうですよ。ただ、毒キノコも多いし、ゼリーおばけとか時々出るので、あまり私たちはいきませんけど」 洗濯物を干していたシエスタは、その手を止めてちょっと考えこんでいたが、ぽんと打ってそう答えた。 「ゼリーおばけ?」 「名前のままで、ゼリーみたいなぷるぷるした体のお化けなんです。そんなに危険なわけじゃないけど、それでも時々人間を攻撃したりするので……」 ぷるぷるとしたゼリーみたいなモンスター。そういうものに、エリーは心当たりがあった。 ザールブルグ周辺でもよく見かける、ぷにぷにというモンスターだ。 (このへんでも、ぷにぷにの仲間がいるのかな? それとも、別のモンスター?) いずれにしろ、採集に行く時はザールブルグの同じように一人、ないしは非武装でいくのは危険なようだ。 フラムを多めに用意しておいたほうがいいなあ、とエリーは心の中でため息を吐いた。 「それなら、明日あたりちょっといってみましょうか?」 軽く背伸びをしながら、キュルケは言った。 「でも、キュルケさんは学校が……」 「かまやしないわよ、一日や二日くらい。学校の近くなら日帰りも十分できるでしょう? それに森の中はけっこう物騒なんでしょ? だから、こんなもの用意してる」 キュルケは机のフラムを指でつついた。 これにエリーは黙ってしまう。その通りだからだ。 「私はこれでもトライアングルメイジ。けっこう頼りになるつもりよー?」 「そうですね……」 エリーはうなずく。 成績などはそれなりに優秀らしい。それはわかるが、まだキュルケの魔法というのがどれほどのものなのか、よくはわからない。 というよりも、このハルケギニアの魔法自体をよくは知らないのだ。 治癒を得意とする水系統。物質を変質させる錬金魔法。宙に浮いたり、鍵を開け閉めしたりするコモンマジック。これらは確かにすごいものだが、風や火系統魔法というのはあまり見ていない。 もしかすると、それらが実質どういうものであるのか、この目で見られるかもしれない。そんな期待がないではなかった。 「じゃ、決定ね」 キュルケはそう言って、わしわしとエリーの頭をなでる。 そういうことになった。 「ええ、森にキノコをとりにいくんですか?」 森へ行くことが決まってから、エリーはシエスタのもとを訪れていた。 「キノコというか、まあ、色々……それで、シエスタさんに案内とかしてくれると助かるんだけど。あ、できればでいいから」 「そうですねえ……。わかりました、ご案内させていただきます」 「わ、ありがとー!」 素直に喜びを顔に出すエリーに、シエスタはちょっと微笑する。 何か年下の妹でも相手にしているような気分だったのだ。 「あれ、二人ともどっかいくの?」 そこに厨房の奥で皿洗いをしていた才人がひょいと顔を見せた。 才人はエリーと共にシエスタの手伝いをしてから、ほぼ毎日厨房の手伝いをするようになっている。そのおかげで賄いにありつけるので、“ご主人様”から賜る粗食にも耐えられるのだそうだ。 「うん、明日近くの森にね」 「森って、狼とかスライムとか出るって聞いてるけど、大丈夫かよ」 「丸腰で行くわけじゃないし。それにキュルケさんも一緒だから」 「でも、女の子だけだろう?」 心配だなあと才人は顔を曇らせた。 「そう遠くに行くわけでもないし、キュルケさんは魔法使いだし、そんなに……」 「……あのさ、俺も一緒についてっていいか?」 「え? サイトも?」 「ああ、やっぱ女の子だけってのは物騒だろ」 もう決めたかんな、という表情で才人は言った。 「うん、かまわないけど」 エリーが了承すると、才人はよっし、と小さく拳を握ってうなずいた。何か気合を入れているようだった。 (今からそんなに気を張らなくてもいいのに……) エリーはそう思いながらも、それじゃあ明日よろしく、と才人とシエスタに言って厨房を後にする。 「名誉挽回のチャンスですね、サイトさん?」 エリーが去った後、シエスタは少し意地の悪い目で才人に言った。 「え、なにが?」 「これで、エリーさんにかっこいいところを見せられるかもしれないっていうことです」 シエスタは意味ありげにウフフと笑う。 「ミスタ・グラモンとの一件では、かっこ悪いところ見せちゃいましたからね。ここはがんばって……」 「あ、あにを言ってるのかなあ、君は! 俺はね、純粋に心配をして……」 「はいはい、野暮なことはしませんから」 「だーかーらーーー!!」 才人は顔を赤くして反論しようとするが、シエスタは口元に手をやってウフフ笑いを続けている。 そこに―― 「おらあ、サイト! まだ皿が残ってんだろーがー!!」 「うわわ。す、すんませーーん!!」 マルトーの怒鳴り声に、才人は縮みあがって奥へと戻っていった。 「明日が楽しみになってきちゃった……」 才人を見送りながら、シエスタはまた少し意地悪く微笑んだ。 そして、翌日。 「それじゃあ、出発しましょうかー?」 「「「はーい」」」 キュルケの声にエリー、シエスタ、才人が応える。 三人はいつもと同じ格好だが、キュルケは制服ではなく、厚手の衣服に、動きやすさを重視した造りの革靴である。それでも貴族らしいというか、けっこうな金がかかっているようなものだったが。 服は同じだが、エリーと才人は籠を背負い、シエスタは大きめの革のリュックを背負っている。 「あまりみんなと離れない。単独行動はできうる限り避ける。いいわねー?」 キュルケは何だか幼稚園児を引率する保母みたいな口調で言った。 「「「はーい」」」 三人も素直に返事をする。 「それじゃあ、しゅっぱーつ!」 キュルケの声と共に、一行は学院を後にして森へと入っていった。 「今さらだけど……良かったの?」 森に入ってからしばらくたって、エリーは才人の顔を見た。 「何が?」 「ルイズさん……だったかな? あなたの、その…………」 「ああ、“ご主人様”ね。ふん、いーんだよ、あんなワガママ女。色々文句言ってきたり、鞭振り回したりしてくるけど。もういい加減で慣れたし」 才人は手をひらひらさせながら答える。 実は才人はルイズとほとんど口をきいていない。何か話せば言い争いになるばかりだし、ここ二、三日、夜は部屋に戻っていない。 馬小屋のわらの中で夜を明かしているのだ。 無論才人にとって、それは快適とはいいがたいものではあったが、“優しいご主人様”の部屋の床に比べればはるかに寝心地のいいところだった。 才人にとって、ルイズのことは優先事項にはないのだ。 本人が知れば激怒することは間違いないだろうが。 ――そんなことよりもだ……。 才人は考える。 先日の、キザ貴族(ギーシュ)との一件、シエスタにも言われたとおりかっこ悪いところを見せてしまった。あれは非常にまずかったのではないか。 正直本当にアレはまずい。 あれから、シエスタたちメイドには道などで会うたびに笑われてるような気がするし、厨房のコックたちや一部の生徒には変に同情的に見られる。 コック長のマルトーなどは、 「なぁに、女のことなんざあ気にするな! 俺なんざ料理に夢中になりすぎて女房に逃げられたんだぜ!」 などと、変に自慢げに言われ、励まされた(?)。 でも正直そんな風になるのは嫌だなと思った。 ルイズには、 「よくも私に恥をかかせたわね!! 使い魔の恥は主人の恥なのよ!!」 またも鞭も食らったが、正直これはどうでもいい。 問題のは、エリーである。 彼女はメイドたちや女子生徒みたいに才人をクスクスと笑ったりもしない。以前と変わらず普通に接してくれる。 これはとてもありがたい。ありがたいのだが。 その奥に、悪意などではなくて、こう気遣いみたいなものが感じられるのだ。 才人にはそれが苦痛だった。ルイズの鞭よりもずっと堪える。 だからこそ、 ――ここで、ちょっとくらいいいとこを見せておかないとな!! 才人は内心密かに決意していた。シエスタにからかわれたこと、実はまさに図星であったわけだ。 そして、ちらりとエリーの横顔を見る。 ――やっぱり、可愛いよなあ……。 才人はどくんどくんと脈打つ心臓を押さえた。それが、エリーに聞こえはしないかと。無論そんなわけはないのだが。 ルイズのような極上の美少女、というのではない。 キュルケのようなあふれんばかりの色香もない。 あの、タバサとかいう少女のような神秘的な美貌というのでもない。 シエスタのような、“脱いだらすごいんです”という体型ではない。 確かに可愛いけれど、本当にどこにでも、例えば才人が住んでいた日本にもいそうな、そんな感じの女の子。 でも。 ――何ていうか、“おひさま”みたいな感じなんだよ、なあ……!?。 考え事をしていていたため、才人はけつまず、思い切り転んだ。 「ぐえ!!」 臀部にずしんと思い衝撃。どうやら尻を強打してしまったらしい。 「だ、大丈夫!?」 「危ないですよ、気をつけて……」 エリーとシエスタを助け起こす。 「何をやってるんだか……」 キュルケはちょっとさめた目で才人を見る。 「サイトって、ひょっとしてあんまり森とかに慣れてない?」 「うんまあ、都会っ子つうか……」 エリーの言葉に、才人はわずかに苦笑する。 「二人は、けっこう慣れてんのな……」 「仕事で薪を集めたり、色々しますから」 「私も、こういうのは普通にしてたから……まあ、もともと田舎育ちだしね」 「田舎か……」 才人は腰をさすりながら立ち上がる。 「エリーの、育った村ってどんなとこなんだ?」 「どんなって、別に普通だよ? どこにでもある田舎の村」 「いや、その俺も遠いところからきてるだろ、だから普通っていっても、きっと俺のいたところとは全然違うと思ってさ……」 「あら、サイトさん。エリーさんのことばかりで、私のことは聞いてくれないんですか?」 シエスタが横から口をはさむ。 「ええ!? いや、別に他意はないよ! 他意は」 あわてる才人に、シエスタは、本当かしら? と何か言いたげな笑みを浮かべる。 キュルケはそれを離れた場所で見ながら、呆れたような、それでいてどこか愛しげな笑みを浮かべた。 「本当に、何をやっているんだか……。使い魔も、“ご主人様”も……」 つぶやくキュルケの視線の先には、木陰に隠れているピンク色の影があった。 前ページ次ページ“微熱”の使い魔